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1糖尿病のよくある質問

1型糖尿病のよくあるご質問

血糖コントロールは面倒くさそうなんですが・・・

糖尿病をコントロールするということは、慣れてくると当たり前になるので大丈夫です。簡単に言うと低血糖時には血糖を上げる、高血糖時はインスリンを増量するなど自分で調整するということです。日常で1番気をつけてほしいのは、低血糖です。何回か経験すると、こんな時に起こりそうだなとか、これは低血糖の始まりの気分だと予想できるようになってきます。重い低血糖になると脳細胞に栄養(ブドウ糖)が届かなくて、危険な状態になってしまうので、その前にくい止めなくてはいけません。自分では低血糖がわからないときもあるので、家族や親しい人にも低血糖のときの対処法を知ってもらうことが大切です。
特に病気で食べられない状態の時には、すぐに病院にご連絡ください。対処方法をお教えさせて頂きます。

インスリン注射は痛いでしょうか?

インスリン注射を始める前には、注射が痛いのではと不安をもつ方が、たくさんいらっしゃいます。しかし、実際には注射と言いますが、普段の注射ほど痛くありません。多くの方は思いのほか痛くないことに驚かれます。
これは、インスリン注射に使われている注射針が予防接種や点滴などの一般的な注射に比べて。とても細く、刺す深さも浅いからです。また注入器の操作も簡単なのでご安心ください。

インスリン注射の副作用は?

正常範囲内より血糖値が下がってしまう『低血糖』があります。冷や汗・動悸・手足の震えなど、その症状は、急におきてしまうこともあります。自分の体のサインをよく知り、周囲の人にも伝えておきましょう。

日常生活でどんなことを知っておくといいでしょうか?

あらかじめ食事をする時間と場所がわかっていると、安心して過ごすことが出来ます。
血糖値を上手にコントロールするために食事療法をしています。このため食事の時間、内容、分量などに気を配りましよう。
また食事前にはインスリン注射を自分で討つので、注射を打つタイミングをはかったり、場所を確保したりする必要があります。

普段、どのような症状に気をつけたら良いですか?

糖尿病があっても健常な方と何ら変わることはありません。ただ、健康であっても風邪や頭痛などの病気になることがあるように、1型糖尿病の方も体調によっては、正常範囲よりも血糖値が下がってしまう『低血糖』や、逆に上がってしまう『高血糖』になることがあります。

外出や旅行・出張は出来ますか?

外出や旅行・出張に問題はありません。ただし、インスリン療法は必要なので、インスリンを注射するペン型の注射器を携帯することになります。(インスリンポンプを携帯する方もいます。)
周り方にはインスリン注射のタイミングを見つけることが出来るように、少し気配りをして頂けると助かります。

普段よりも身体を動かす時に、どのようなことに気をつけたら良いでしょうか?

ウォーキングなどの運動や、掃除・引っ越しなどの普段より多く体を動かす時には、低血糖を起こす可能性があります。
低血糖を起こさないためにも、水分や糖分をとるための休息の時間を取りながら、これまでと同じようにいろいろな活動ができます。

いつか注射を打たなくていい日が来ますか?

将来そんな時代が来るように、世界中で日々研究されています。そのときまで今の良い治療を受け続けましょう。続けることは糖尿病の合併症をおこしたり、進ませたりしないことにつながります。大変だと思うことがあるでしょうが、あなたを支えてくれる人はご家族はもちろん当院だけではなく、自分の病気のことを知らせた人の数だけいます。1人だけで頑張らずに、ときに同じ思いの1型糖尿病の人の集まりに出かけてみてはいかがでしょうか?お互いに日頃の思いを語り合ったり、工夫の仕方を教え合ったりするのは、日々の生活のちからをもらえます。

お子様が糖尿病の場合

部活やサークル活動は続けられますか?

部活動やサークル活動は今まで通りに続けられます。また、学校生活でできないことやしてはいけないことは何もありません。プロスポーツ選手をはじめ、職場や家庭で様々な夢を実現している1型糖尿病の方はたくさんいらっしゃいますのでご安心ください。

学校や普段の生活でしなくてはならないことはありますか?

普段の生活の中で注意しなくてはならないのは極端な低血糖や高血糖です。低血糖とは血糖値が下がりすぎることです。インスリンを注射したあとの食事が少なかったり、運動量が多すぎた時におこります。症状を感じたら、すぐにブドウ糖やブドウ糖を含む清涼飲料水などをとって安静にしましょう。極端な低血糖や高血糖が起きたらどうしてなったのかを振り返り、次に低血糖や高血糖を起こさないようにどうすればいいか病院で相談してくださいね。

学校で先生や友達に糖尿病であることを伝えた方がいい?

担任の先生や保健の先生、部活動の顧問の先生には、糖尿病であることを伝えましょう。しかし上手く話せなかったりなど不安がある場合は、ご両親に付き添ってもらったり、病院から説明することも可能ですので、お気軽にご相談ください。
ただ友達に話すかどうかはお子様次第です。無理に話す必要は全くありませんが、しっかりと糖尿病を理解してもらうことで、お子様の支えになってくれることは間違いないです。

進学や就職で1人ぐらしは可能でしょうか?

もちろん出来ます。しかしそのためには準備期間が重要になります。まずは自分の体のことをよく知り、インスリンの使い方が上手になって、自分で血糖値のコントロールをできるようにしておくことです。

将来、結婚や妊娠、出産は出来ますか?

もちろんです。私自身、今まで沢山の1型糖尿病のお母さんを診てきました。ですから1型糖尿病だからといって、結婚や妊娠、出産を諦める必要は全くありません。

女性のご質問

妊娠・出産は出来ますか?

事前に血糖コントロールをきちんと行い、低血糖リスクを最小限に抑えた上での、計画的な妊娠・出産は可能です。インスリンは経口で摂取されないため、出産後に母乳保育もできます。妊娠時の血糖管理は、妊娠高血圧症候群を含めた周産期合併症、巨大児・先天異常などの予防、流産・早産の予防になります。
妊娠前に合併症があると、妊娠中に合併症が進行して、妊娠継続が難しくなることがありますので、妊娠前からよく相談し、合併症の進行にも注意しましょう。

子供に遺伝する可能性はあるのでしょうか?

1型糖尿病の遺伝確率は非常に限られているます。2型糖尿病の遺伝発症率が30〜35%に対して、両親共に1型糖尿病の場合は3〜5%、両親の一方が1型糖尿病の場合は1〜2%程度と言われています。

ピルなどでホルモン治療をしていますが大丈夫でしょうか?

インスリン製剤の作用が弱まったり、月経周期異常が起きる場合や、月経によって注射すべきインスリン量が変化する場合もありますので、まずはお気軽にご相談ください。

甘いものは食べられないのでしょうか?

血糖値をコントロールできているなら甘いものは食べられます。ただ、たとえ全く食べなくても、基礎代謝に見合うインスリン注射は必要になります。規則的な食事を心がけ、食べる量と運動量がつりあっていれば、インスリン治療によって太るということはありません。

社会人の方からのご質問

仕事を続ける上、成約を受けることはありますか?

慣れないうちは仕事と血糖コントロールの両立は難しいかもしれません。インスリン療法のほかに、多くの1型糖尿病患者さんがぶつかる悩みや問題をご紹介致します。

自動車の運転

出来るだけ正常域に近づけることを行いますので、低血糖になるギリギリのところで血糖をコントロールするともいえます。低血糖にならないようにするわけですが、低血糖になってしまう場合もあります。運転中に低血糖が重症化し、意識が混濁するととても危険です。運転に関しては低血糖の初期症状には十分に注意し、症状を感じたらすぐに運転を中止してブドウ糖などを摂取して安静にしてください。
低血糖の初期症状に気がつかず重症化し、意識を失うこともあります。(無自覚性低血糖)『自分で血糖値の調整をすることが困難』と認められた場合は、運転免許の取得や継続に制限を受ける場合もありますので、当院もしくは、お住まいの都道府県の公安委員会の運転適性相談窓口に相談しましょう。

接待やパーティーでの食事

1型糖尿病だからといって参加を断念する必要は全くありませんのでご安心ください。ただし高カロリーの料理やアルコール飲料など食事が不規則になることもあるかと思いますので、血糖コントロールがうまくいかなくなる原因になりやすいです。摂取できるアルコール量や料理を選んで食べるコツについて、あらかじめご相談ください。