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血液検査について

血液検査について

医療機関などで行われる臨床検査で、測定値を解釈するための目安を基準値といいます。通常、病気のない健康な人の測定値を集め、統計的に算出します。従来、「正常値」と言われていたものですが、健康な人にも個人差があり、その測定値の集計結果が必ずしも「正常」とは限らないため、近年では「基準値」と呼ばれるようになりました。基準値は検査する施設や測定法により異なることがあるので注意が必要です。

記載してあります基準値は、主に『高久史麿〔監修〕臨床検査データブック 2017-2018,医学書院, 2017』
また、生活習慣病に関連する学会のガイドラインなどに、診断基準や管理目標値の記載があるものについては、それに従いました。

血液一般検査

赤血球数(RBC)

採取した血液サンプルを自動血球計数器で測定します。
赤血球数の低値は貧血や気がつかない出血、高値は多血症や脱水が疑われます。

基準値

  • 男性 427~570×104/μL
  • 女性 376~500×104/μL

ヘモグロビン(Hb)

ヘモグロビンは赤血球に含まれる赤い色素で、酸素と結合し、全身の組織に酸素を運ぶ役割を果たしています。赤血球の重量の約1/3を占めていて、貧血があればヘモグロビン量も減少します。
赤血球数とヘモグロビン量から貧血のタイプもわかります。

基準値

  • 男性 13.5~17.6g/dL
  • 女性 11.3~15.2g/dL

ヘマトクリット(Ht)

ヘマトクリットは、血液中に占める赤血球の容積の割合です。
赤血球数やヘモグロビンと同様、低値で貧血、高値で多血症が疑われます。

基準値

  • 男性 39.8~51.8%
  • 女性 33.4~44.9%

白血球数(WBC)

白血球は、いくつかの種類がありますが、いずれも外から侵入する種々の病原体から体を守る重要な働きをしています。
体のどこかに炎症が起こると白血球数が増加します。

基準値

  • 4,000~8,000/μL

血小板数(PLT)

血小板は血管の損傷に反応して、その場所に集まり、止血する働きがあります。
血小板が減少すると出血しやすくなり、増加すると血が固まりやすくなって、血栓の原因となる危険性があります。

基準値

  • 15~35×104/μL(自動血球計数器)

脂質異常に関連する検査

総コレステロール(TC)

コレステロールは、体中の細胞の膜やホルモンなどの材料になる重要な脂質です。一部は食事から摂取されますが、多くは肝臓で作られます。
水に溶けないため、血液中ではタンパク質のカプセル(リポタンパク)の中に入って運ばれ
ます。リポタンパクにはLDL(低比重リポタンパク)、HDL(高比重リポタンパク)などいくつかの種類があり、これらに含まれるコレステロール
の総計が総コレステロールです。
過剰なコレステロールは、血管の壁などに入り込んで動脈硬化の原因となります。

基準値

  • 130~220mg/dL

LDLコレステロール(LDL-C)

いわゆる“悪玉”コレステロールです。過剰になると、血管の壁にコレステロールが溜まるため、LDLコレステロールの高値(高LDLコレステロール血症)は動脈硬化の最も重要な危険因子とされています。

基準値

  • 140mg/dL以上(空腹時)
  • 管理目標値 100~160mg/dL未満※1

※1心臓病の既往や他のリスクの有無により変動(リスクが多いほど低く設定されている)

HDLコレステロール(HDL-C)

いわゆる“善玉”コレステロールです。HDLは組織の余分なコレステロールを肝臓に戻す役割があり、動脈硬化の予防に働きます。
HDLコレステロールの低値は動脈硬化の危険因子となります。

基準値

  • 40mg/dL未満(空腹時)
  • 管理目標値 40mg/dL以上

中性脂肪(トリグリセライド;TG)

中性脂肪は主に食事から摂取され、一部は肝臓でも作られます。
食事で摂取された中性脂肪は脂肪酸に分解され、一部はエネルギー源として利用されますが、余った脂肪酸は再び中性脂肪に合成され、脂肪組織などに蓄えられます。
中性脂肪の高値は肥満と密接に関係するだけでなく、動脈硬化の危険因子になります。

基準値

  • 150mg/dL以上(空腹時)
  • 管理目標値 150mg/dL未満

糖尿病に関連する検査

空腹時血糖値(FPG)

血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことです。
空腹時血糖値は、検査当日に朝食を抜いて採血するなど、空腹の状態で調べます。
食事で摂取した糖質はほとんどがブドウ糖になって吸収され、血液中に入ります。血液中のブドウ糖は、膵臓から分泌されるホルモン、インスリンの働きによって、エネルギー源として利用されたり、肝臓などに蓄えられて血糖値は下がります。インスリンの分泌が不足したり、働きが悪いと、血糖値が高くなり、一定の値を超えると糖尿病が疑われます。

基準値

  • 正常型:110mg/dL未満
  • 糖尿病型:126mg/dL以上
  • 境界型:糖尿病型にも正常型にも属さないもの

ヘモグロビンA1c(HbA1c)

血糖値の高い状態が長く続き、血液中のブドウ糖が体内のタンパク質に結合すると糖化がおこります。その1つに赤血球中のヘモグロビンがあり、ヘモグロビンが糖化したものがHbA1cです。HbA1c値は過去1~2ヵ月間の平均血糖値を反映し、糖尿病の診断だけでなく、糖尿病がコントロールできているかの指標として重要です。

基準値

  • 4.6~6.2%
  • 判定基準 糖尿病型:6.5%以上
  • コントロール目標 7.0%未満(患者さんの状態により6.0%または8.0%未満)

肝臓の機能などに関連する検査

トランスフェラーゼ

アミノトランスフェラーゼは、種々のアミノ酸を作る酵素です。
ASTは肝臓、心臓、筋肉などの細胞、ALTは主に肝臓の細胞に存在し、これらの細胞が壊れると、血液中に出て、血液中の値が高くなります。

基準値

  • AST:11~33IU/L
  • ALT:6~43IU/L

γ-GTP(ガンマGTP)

γ-GTPはタンパク質を分解する酵素で、肝臓、腎臓、膵臓などに多く含まれ、これらの細胞が傷害されると血液中に出てきます。
アルコールを飲むと、それを無毒化するために肝臓でγ-GTPが多く作られ、血液中のγ-GTPが上昇します。

基準値

  • 6.5~8.0g/dL

総タンパク(TP)

血液中のタンパク質は100種類以上ありますが、大部分はアルブミンとグロブリンです。
総タンパクは、それら全てを合わせたタンパク質の量です。総タンパクが低い場合は、栄養不良、肝障害、腎臓病、高い場合は、脱水症などが考えられます。

基準値

  • 男性 10~50IU/L
  • 女性 9~32IU/L

アルブミン

アルブミンは肝臓で作られるタンパク質で、血液中の総タンパクの60~70%を占めます。
肝臓でのみ作られるため、肝臓の障害や栄養状態の指標として用いられます。

基準値

  • 3.8~5.2g/dL

腎臓の機能に関連する検査

糸球体濾過量(GFR)

腎臓は、血液中を流れる老廃物などを濾し出し(濾過)、尿として排泄する器官です。
腎臓の表面には糸球体と呼ばれる毛細血管の小さな塊がたくさんあり、これが老廃物を濾過する“ふるい”の役割を果たしています。腎臓の働きが悪くなると糸球体が濾過する量が減り、老廃物が排泄できなくなります。この糸球体が老廃物を濾過する量を糸球体濾過量(GFR)といい、慢性腎臓病(CKD)の診断と重症度を評価する重要な指標になります。

基準値

  • GFR:60mL/分/1.73m2未満
慢性腎臓病の重症度分類
  • 正常または高値  :90mL/分/1.73m2以上
  • 正常または軽度低下:60~89mL/分/1.73m2
  • 軽度~中等度低下 :45~59mL/分/1.73m2
  • 中等度~高度低下 :30~44mL/分/1.73m2
  • 高度低下     :15~29mL/分/1.73m2
  • 末期腎不全    :15未満mL/分/1.73m2

血清クレアチニン(sCr)

クレアチニンは筋肉で利用されるアミノ酸、クレアチンが分解されて血液中に出た老廃物です。
腎臓の糸球体で濾し出され、尿中に排泄されます。腎臓は、いったん濾過した物質を再び吸収する機能(尿細管再吸収)がありますが、クレアチ二ンはほとんど再吸収されないため、糸球体の濾過機能をみるのに有用です。血清クレアチニンの高値は糸球体の濾過機能が低下していることを示しています。

基準値

  • 男性 0.65~1.09mg/dL
  • 女性 0.46~0.82mg/dL

その他

尿酸(UA)

尿酸はプリン体の分解産物で、老廃物の1つです。
プリン体は食物からも摂取されますが、多くはDNAの構成成分などとして体の中で作られます。尿酸の高い状態を高尿酸血症といい、痛風を
引き起こすだけでなく、腎臓病や尿路結石につながるほか、高血圧や糖尿病、肥満などを合併しやすく、心臓病や脳卒中の危険因子になるといわれています。

基準値

  • 男性 3~7mg/dL
  • 女性 2~7mg/dL
高尿酸血症の定義※
  • 7.0mg/dLを超えるもの

*日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会(編). 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版2012年追補ダイジェスト版,メディカルレビュー社,2012

CRP(C反応性タンパク)

CRPは体内に炎症が起こると急激に増えるため、炎症の指標として用いられます。
細菌やウイルス感染症のほか、関節リウマチなどの膠原病、心筋梗塞、悪性腫瘍などで高値を示します。

基準値

  • 陰性または0.3mg/dL以下(測定法による)