Hepatitis&Cirrhosis

肝炎・肝硬変

肝臓が炎症(えんしょう)を起こす病気

肝臓には大きな力の貯えがあるので、病気で肝臓の85パーセントがこわれてもはたらき続けることができるといわれています。そのため、病気になっても症状が出にくいことから、“沈黙の臓器”と呼ばれることもあります。肝臓は再生力の強い臓器ですが、炎症が慢性化すると元にもどらなくなるため、日頃からいたわりと注意が必要です。

急性肝炎とは?

肝炎ウイルスやアルコール、薬などによって肝細胞がこわされ、炎症が起こります。ウイルスはA型・B型・C型などがあり、それぞれ感染ルートや症状のあらわれ方がちがいます。ウイルスに感染してから数週間から数カ月後に症状があらわれます。主な症状は、からだのだるさ、食欲がない、白目や皮膚が黄色っぽくなる黄疸などです。

急性肝炎の治療法は安静にしてバランスのとれた食事をとることが大切です。症状が重い場合は入院し、原因のウイルスに合わせた抗ウイルス薬を使用します。食欲がない場合は、点滴を行うこともあります。急性肝炎は原因のウイルスを排除できれば、数カ月で症状が治まる場合もあります。

慢性肝炎

おおむね6カ月以上、肝臓の炎症がつづいている状態です。 主に急性肝炎が治りきらないために起こりますが、自覚症状がとても軽いため健康診断の血液検査で偶然に見つかることが多いようです。しかし、そのまま放っておくと肝硬変や肝臓がんになることもあるため、注意が必要です。症状としては、食欲がない、疲れやすい、ときどき吐き気がするなど。ウイルスのタイプや病気の進行度に合わせ、いくつかの薬を組み合わせて使います。

肝硬変

肝硬変は、慢性肝炎などによって肝臓の細胞が破壊(はかい)と再生を繰り返すうちに、繊維状になり肝臓が固くなる病気です。肝臓のはたらきが低下して、もとにもどらなくなります。また、肝臓がんに発展することもあります。
はじめはあまり症状がないことが多く、進行するにつれてだるさや吐き気、体重が減るなどさまざまな症状があらわれます。さらに進行するとむくみやお腹がふくれる感じ、黄疸(皮膚や白目などが黄色くなること)、手のひらが赤くなるなどの症状があらわれます。

治療方法は?

抗ウイルス薬を使い、肝細胞の破壊や炎症を抑えます。バランスの良い食事をとることや禁酒、激しいスポーツを避けることも大切です。

出典:中外製薬