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多発性骨髄腫

多発性骨髄腫とは?

多発性骨髄腫はがん化した形質細胞が役立たずの抗体『Mタンパク』を大量に作ったり、骨髄中で異常に繁殖するようになります。

多発性骨髄腫の特徴

  • 血液細胞のひとつ『形質細胞』のがんです。
  • 高齢者に多く、毎年10万人に2〜3人がかかります。
  • 骨髄腫細胞が血液を造れなくしたり、骨をもろくします。
  • 『Mタンパク(役立たずの抗体)』が臓器などの働きをそこないます。
  • 症状は様々な現れ方をします。
  • 完治させるのは難しい病気ですので、主に症状をコントロールする治療をおこないます。

多発性骨髄腫の主な症状

血液細胞が造られなくなる

骨髄腫細胞が骨髄を占領してしまい、正常な血液細胞が造れなくなります。それにより、貧血や出血傾向などの症状が起こるようになります。

  • だるさ、息切れ、動悸などの貧血症状
  • 出血しやすくなる(青あざ、鼻血など)

骨をもろくする

骨髄腫細胞は増えながら、骨を壊すメカニズムを働かせてしまい、骨がもろくなって痛みなどが起こります。

  • 胸や背中の痛み
  • 骨折

また、骨が壊れて大量のカルシウムが血中に流れてしまいます。

  • 口が渇く、ぼーっとしてしまうなどの高カルシウム血症

Mタンパクがさまざまな悪さをする

役立たずの抗体『Mタンパク』は、臓器に貯まって働きを妨げたり、血液をドロドロにしてしまいます。

  • むくみ、尿量が少なくなるなどの腎障害
  • 頭痛、眼が見えにくくなるなどの過粘稠度症候群(かねんちょうどしょうこうぐん)など

多発性骨髄腫の治療法

治療には『骨髄腫細胞の数を減らすための治療』と『症状を抑えるための治療』があります。

骨髄腫細胞の数を減らす治療

化学療法

骨髄腫細胞を殺したり、増殖を抑えます。
しかし化学療法は優れた効果がありますが、細胞も殺してしまうため副作用が起こります。

化学療法以外の薬物療法

化学療法とは異なる作用を持つ薬で骨髄腫細胞を殺したり、増殖を抑えます。

造血幹細胞移植

大量の化学療法で骨髄腫細胞を殺した後、ダメージを受けた骨髄に造血幹細胞を移植します。

骨の症状を抑えるための治療

薬物治療

骨病変の進行や症状の発現を抑える薬を使って治療します。

放射線治療

骨折の予防や脊椎圧迫によるマヒの治療、痛みの軽減などに効果がります。

手術

骨がもろくなっている部位や、骨折部位を補強・治療します。脊椎圧迫によりマヒが起きている場合も、手術で治療することがあります。

鎮痛剤の投与

痛みのもとになる物質が作られるのを抑えたり、痛みの信号が脳に伝わるのを抑えます。

その他の症状と症状と治療法

腎障害

腎臓の機能が落ちて、最初は『食欲不振』や『吐き気・嘔吐』が、その後『尿量が少なくなる』、『むくみ』などが現れます。輸血や血液透析で腎臓の機能を補う治療を行います。

骨髄抑制

骨髄中で血液細胞が造られなくなり、『貧血』『出血傾向』『感染症』などの症状が現れます。骨髄抑制は化学療法の副作用としても現れます。
それぞれの症状にあわせて、血液細胞を増やす薬を投与したり輸血で補ったりします。長期間続くときは、無菌室で生活することもあります。

高カルシウム血症

血液中のカルシウム濃度が高くなるため、『尿量が多くなる』『吐き気、嘔吐』『口が渇く』『眠気』などの症状が現れます。
利尿剤で血液中のカルシウムを尿中へ排泄したり、ビスホスホネートで骨からカルシウムが溶け出すのを抑えて治療をおこないます。

過粘稠度症候群(かねんちょうどしょうこうぐん)

大量のMタンパクによって血液の粘度が増し、ドロドロの状態になることにより、『頭痛』『眼が見えにくくなる』『鼻や口から出血』などの症状が現れます。
血しょう交換を行って、血液のMタンパクを取り除く治療をおこないます。

アミロイドーシス

Mタンパクが『アミロイド』という有害なタンパク質に変化して、いろいろな臓器にたまり機能を妨げてしまいます。障害された臓器の機能を補う治療を行いますが、完全に治療するのは困難です。

日常生活でこころがけること

適度に運動する。

骨がもろくなっているからといって動かないでいると、余計に骨がもろくなり、筋力も低下してしまいます。
腰背部痛の残っている場合は、コルセットなどの装具を使いましょう。

骨に負担をかけない

重い物をもちあげる、身体をねじる(うしろから声をかけられて振り向くなど)、中腰になる、など骨に負担をかけると骨折する危険があります。

うがいや手洗いをよくする

病気や重処化してきたり、化学療法で治療すると免疫力が低下して感染症にかかりやすくなっています。

水分を意識的にとる

水分を補給することで腎臓の負担が軽くなり、腎機能が低下しにくくなります。

生活上の注意点とアドバイス

体調管理を中心に、特に感染症にかからないように注意してください。

感染を予防するするために

  • 手洗いは毎食事前後、トイレの後、外出後に石鹸を使って行いましょう。
  • うがいは外出後だけではなく、家にいる時、寝る前も行いましょう。
  • 入浴、またはシャワー浴をできるだけ毎日行い、清潔な衣類を身につけましょう。
  • 排便後は、できるだけシャワートイレを使いましょう。
  • 人混みを避け、マスクを着用しましょう。

体力を維持するために

  • 規則正しい生活を心がけましょう。
  • 貧血症状がある場合は、無理をせず、できるだけゆっくりからだを動かすようにしましょう。
  • 貧血になると手足が冷えやすくなるので 保温に努めましょう。

外来で治療を受けるときの注意点

  • 症状がなくてもくすりは 必ず服用してください。
  • 必ず定期的に診察を受けてください。 特に血液検査が重要です。
  • 体調管理に注意してください。もし体調がおかしいときは、すぐに医師に相談してください。

研究が進む多発性骨髄腫

多発性骨髄腫では新しいくすりや治療 の研究が進められています。
このような新しい治療法によって骨髄異形成症候群の治療戦略や分類、治療成績が変わる可能性があります。
新治療法については、その都度ブログなどでご報告させて頂きます。