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潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは?

「炎症性腸疾患」は腸に炎症が起きる病気で、2つの種類があります。

潰瘍性大腸炎

大腸に炎症が起きるのが「潰瘍性大腸炎」です。
潰瘍性大腸炎は、国が定めた「指定難病」の1つです。発症原因は未だわかっていませんが、「免疫異常」が関係していると考えられています。

クローン病

小腸や大腸などあらゆる消化管に炎症が起きるのが「クローン病」です。
現在、日本には、約18万人の潰瘍性大腸炎の患者さんがおり、その数は年々増加しています。
潰瘍性大腸炎は、若年者から高齢者まで発症しますが、発症年齢の主なピークは、男性では20~24歳、女性では25~29歳です。しかし最近では、40代以降でも、多くの人が発症すると言われています。
重症の患者さんは少なく、全体の9割が「軽症~中等症」の患者さんで占められています。

潰瘍性大腸炎の症状

大腸の粘膜に炎症が起き、粘膜がただれると、激しい下痢や血便などが現れます。強い腹痛や発熱などを伴う場合もあります。

  • 下痢、血便
  • 発熱
  • 腹痛
  • 体重減少

潰瘍性大腸炎の経過

潰瘍性大腸炎には、炎症が起きて症状が強く現れる「活動期」と、症状が治まっている「寛解期」があります。
治療をきちんと続ければ、多くの人は寛解を維持することができますが、人によっては再燃 ※して、活動期と寛解期を繰り返してしまうこともあります。
※再燃:寛解期から再び活動期になってしまうこと。

潰瘍性大腸炎の検査

問診、便検査、大腸内視鏡検査などをおこない、他の病気と区別しながら総合的に診断します。

問診

下痢の回数、便の性状、血便の頻度と程度、腹痛の程度、発熱などがいつから始まったのかなどを確認します。

便潜血検査

便に血液が混ざっていないかを調べるための検査です。

血液検査

炎症や貧血の有無、栄養状態などを調べるための検査です。

炎症を調べる 白血球数、CRP、赤沈などの項目をみる
貧血・出血を調べる ヘモグロビン等の項目をみる
栄養状態を調べる 総蛋白、アルブミンなどの項目をみる

大腸内視鏡検査

潰瘍性大腸炎の診断に欠かせない検査で、診断後も定期的に受けることが大切です。
肛門から大腸内視鏡を挿入して、炎症の範囲や進行度などを調べます。
検査は15~30分程度で終わりますが、場合によっては粘膜の一部を採取して、顕微鏡で詳しく調べることもあります。

腹部X線検査

腸内のガスの貯留状態を調べるための検査です。

注腸X線検査

肛門からバリウムを注入してレントゲン撮影を行う検査です。
大腸内視鏡検査と比べると得られる情報が少ないため、今ではあまり行われていません。

潰瘍性大腸炎の治療

原則手には、炎症を抑える【薬物療法】が中心です。多くの場合は、お薬で寛解期に至ることができます。

薬物療法

潰瘍性大腸炎を完治できるお薬はありませんが、大腸粘膜の炎症は抑えることができます。
潰瘍性大腸炎の薬物療法は、「活動期」と「寛解期」に合わせて 2つに分けられます。

アミノサリチル酸製剤

アミノサリチル酸製剤は、軽症~中等症の潰瘍性大腸炎治療の中心となる基本的治療薬であり、「寛解導入療法」にも「寛解維持療法」にも用いられます。
アミノサリチル酸製剤には、「飲み薬」や「坐薬」など使い方が様々あるため、 患者さんの症状や希望に合わせて、医師と相談して選ばれます。

ステロイド

炎症を強力に抑えますが、長期間使用すると副作用が現れやすくなるため、必要な期間に必要な量だけ使用します。寛解を維持する効果はなく、活動期に使用します。

免疫調節薬、抗体製剤

ステロイドを投与しても効果が低い場合や、再燃を繰り返してしまう場合に使用されることがあります。
いずれも、過剰になっている免疫反応を抑えるお薬です。

血球成分除去療法

主に、薬物療法で効果不十分な場合に検討されます。
血液をいったん体内から取り出して、炎症を起こしている「異常に活性化した白血球」を外部装置で取り除き、再び体内に戻す治療法です。

手術療法

下記のいずれかに該当する場合に、大腸をすべて摘出する手術を検討することがあります。

  • 内科治療が無効(特に重症例)
  • 副作用などで内科治療が行えない
  • 大量の出血
  • 穿孔(大腸に穴があく)
  • 大腸がんまたはその疑い

妊娠を希望される方へ

潰瘍性大腸炎でも、基本的には妊娠・出産は問題ありません。ただし、「活動期」に妊娠した場合は、通常の妊娠と比べ、不妊や流産・早産の可能性が少しだけ高まるとの報告があるため、計画的な妊娠が望まれます。
そして潰瘍性大腸炎は、子どもに遺伝するというような「遺伝子疾患」ではありませんのでご安心ください。
精子数が減少して妊娠に影響を及ぼすお薬がありますので、男性の方でお子さんを希望される際も、まずはご相談ください

妊娠中の薬物療法について

妊娠中は、寛解の状態を維持し、出産まで再燃させないことが望まれます。もし妊娠中に再燃したら、妊娠をしていない場合と同様に治療が行われます。
胎児に影響を及ぼす可能性のあるお薬がありますので、まずはご相談ください。
大腸内視鏡検査については妊娠中は、胎児への刺激になる可能性があるため、できる限り控えることが望まれます。

出産・育児について

寛解期であれば、通常通りの出産が可能です。
しかし母乳に移行する可能性のあるお薬がありますので、まずはご相談ください。

医療費の公費助成について

申請して一定の条件を満たした場合は、潰瘍性大腸炎は国が定められた『指定難病』に含められていますので治療に伴う医療費の助成を受けられます。

  • 指定難病の医療費助成を受けるためには、『医療受給者証』が必要です。

申請から交付までの流れ

申請書類などの提出

1.最寄りの市区町村の窓口に以下の書類を提出します。
(※詳細は市区町村の窓口にお問い合わせください。)

  • 特定医療費支給認定申請書(ご自身で記入)
  • 個人番号(マイナンバー)を記載する書類
  • 臨床調査個人票(診断書)
  • 住民票(世帯全員が載っているもの)
  • 市区町村税(非)課税証明書(世帯全員分)
  • 健康保険証のコピー

医療受給者証の交付(申請から2〜3ヶ月後)

お住まいの都道府県が申請内容を審査し、認定されれば医療受給者証が交付されます。
非認定の場合は、その旨の通知があります。

窓口へ提示

都道府県が指定した医療機関を受診し、窓口に医療受給者証をご提示頂けば、公費負担(医療費助成)を受け付けることが出来ます

自己負担額は病気の状態や世帯の所得に応じて異なります。