今回は甲状腺についての話題です。

甲状腺とは

甲状腺腫大は前頸部にある、蝶が羽を広げたような形をした臓器で、私たちの体内で体温調整や血圧、脈拍、代謝調節を行うホルモンの分泌に関与しています。

甲状腺が腫れる、とは

健康診断などで”甲状腺腫大”や”前頸部腫大”と指摘を受けることがあります。

甲状腺腫大は、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。

・慢性甲状腺炎やバセドウ病などのびまん性腫大を起こす疾患
・腺腫様甲状腺腫、甲状腺癌などの甲状腺結節

腫大の程度や症状は個人によって異なりますが、通常は首の前部にしこりや腫れを感じることがあります。甲状腺腫大の診断には、超音波検査や血液検査などが行われます。

それによって、腫大の原因や性質を評価することができます。

甲状腺腫大への対応

　・女性に多く認められる甲状腺腫大ですが、特に異常がないことをよく経験します。これは甲状腺の存在部位が男性に比べ女性の方が首のなかでも上の方にあるため”触れやすい”ためと考えられています。このような場合は特段の処置を要しません。

・甲状腺ホルモンに異常のある疾患（バセドウ病、甲状腺機能低下症など）では主に薬剤での甲状腺ホルモンの調節を行います。

・甲状腺結節が超音波で認められた場合には穿刺吸引細胞診を行い良性、悪性の診断を行い、その診断に従って経過観察や手術を選択、提案します。

甲状腺腫大からみつかる疾患の多くは、早期の発見と適切な治療によって管理することができます。異常を指摘された場合や気になる症状があれば当院へご相談ください。