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肥満治療薬と肥満”症”治療薬

この4月から医師の処方なく薬局で購入可能となったオルリスタット”アライ”という
薬が話題になっています。オルリスタットは「肥満”症”治療薬」ではなく「肥満治療薬(内臓脂肪減少薬)」として販売されています。

通常、小腸ではリパーゼという脂肪分解酵素によって脂肪が分解され吸収されますが、オルリスタットを服用するとそのリパーゼの働きを抑え込んで、その結果、脂質は分解されずに便に含まれ排出されます。

医師の処方箋がなくても購入可能ではありますが、実際には薬剤師と対面・相談の上で、「3か月以上、生活習慣改善の取り組みを行なっていること」「体重や腹囲などを1か月以上(少なくとも直近1か月)記録していること」「定期的に健康診断を受けていること」などが必要です。

さて、冒頭で使った肥満”症”という言葉です。 非常にざっくりとした説明として「肥満と、それによる健康障害(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)が合併している状態」を指します。
よって、糖尿病、高血圧などがある方やBMI(体重(kg)/身長(m)の2乗)が35以上の方はすでに健康障害があることになり購入、服用ができません。

体重についてお悩みの方でオルリスタットが内服の条件から外れてしまうかたは
是非とも当院へご相談ください。当院では糖尿病専門医や糖尿病療養指導士が複数在籍しております。保険適応かつ安全な改善方法を薬剤だけでなく栄養や運動などの生活面を含めて、統合的な治療の提案をさせていただくことができるかと思います。

もう1剤、話題となっているGLP-1受容体作動薬のセマグルチド(ウゴービ、オゼンピック、リベルサス)について、詳細はまた稿を改めますが、2024年春時点で、抗肥満薬に適応を有して話題となっているウゴービについては処方可能な施設が極めて限定されていることもあり、必要な患者さんについては患者様と相談しながら処方可能な総合病院へのご紹介を検討させていただきます。

糖尿病専門医・指導医 渋谷高志

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