血球系検査の見方
今回は健康診断(健診)における血球系検査の見方についてお話します。
血球系検査は、大きく分けて、
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
の3つの血球の主に数をみているものです。
健診では赤血球系だけが記載されていることが多いですが、血球系を理解するには、赤血球系だけでは足りません。
このように血球系は「骨髄」という工場のなかで、もともとは同じ起源の細胞(多能性造血幹細胞といいます)です。各々、いろいろな刺激をうけて、進むべき将来が決まり、血液の中に出荷されてその役割を果たします。
一つの血球系だけが多い、少ない、という場合、工場から出荷されたあとに起こった問題のことが多く、出荷先を調べる=血液検査をすることで、原因がわかることが多いです。
反対に、二つ以上の血球系で異常がみられる場合、まだ出荷される前に問題が起こっている可能性があり、工場を調べる=骨髄検査をすることで、原因をはっきりさせることが重要です。
もちろん、例外もありますので、問題の規模や程度も重要です。
以上のことをふまえて、血球系検査の異常で、「再検査」や「要精密検査・要医療」と判定された場合、当院ではまず3つの血球系の数と、白血球の種類について確認します。その検査結果だけでも、「急いで検査を進めていかないといけないのか」、「血液の病気の可能性が高いのか」という疑問に概ねお答えできると思います。健診では異常と出ていたけど、調べてみたら異常がなかった、という場合も少なくないので、怖がらずにご相談ください。
ちなみに、当院には血液専門医がおりますが、休診の場合があります。お手数ですが、ホームページの予約カレンダーでご確認いただくか、お電話にてお尋ねください。
つづく?
(各論についてもどこかでお話しできるといいなと思います)