甲状腺ホルモン異常のお話
Basedow diseaseバセドウ病
200人〜500人に一人が罹患すると言われるバセドウ病。疲れやすい(易疲労感)、脈が早い(動悸)、やたらと汗をかく(発汗過多)、体重減少など、気になる症状があっても医療機関に受診されるとこなく放置している方も多いと思います。悪化すると甲状腺ホルモンの過剰な状態に身体が耐えきれなくなり、複数の臓器の機能が低下し重篤な状態になることもあります。そんなケースはかなり稀ではありますが、早期発見するに越したはありません。
下記にバセドウ病の主な症状を記します。
- 疲れやすい
- 動悸
- イライラ感
- 手指の震え
- 筋力低下
- 不眠
- 頻脈
- 生理不順
- むくみ
- 血圧上昇
- かゆみ
- 脱毛
- 体重減少
- 骨量低下
- 眼球突出
- 血圧上昇
- 下痢
- 口渇
- 血糖上昇
- 痺れ
- コレステロール低下
チェックの入る人も多いのではないでしょうか。もちろん、バセドウ病でない方の方が多いです。しかし、やはり気になることがあれば早めに受診してください。適切な治療を行えば、速やかに改善することが多いです。特に症状の軽い初期のうちは抗甲状腺薬の内服で治療することができます。
Hashimoto disease橋本病
逆に甲状腺機能が低下している方、つまり上の症状の逆の症状でお困りの方も多くおられると思います。ほとんどの場合が橋本病です。元気がなくなる病気であり、うつ病と間違って精神科に受診してしまう方も多くみられます。無気力で頭の働きも鈍くなり、忘れっぽく、ひどくなると認知症の原因のひとつにもなります。また、不妊症の原因にもなります。これらも内服薬のみで改善することがほとんどであり、早期発見、早期治療が重要です。必要量の甲状腺ホルモンが作りきれないために、全身の新陳代謝が悪くなり、以下のような様々な症状が現れます。
- 疲れやすい
- 徐脈
- 食欲低下
- 体重増加
- 声枯れ
- 低体温
- 便秘
- 皮膚乾燥
- 汗が出ない
- 筋力低下
- 月経不順
- むくみ
- 脱毛
- 眠気
- 貧血
- 無気力
- 物忘れ
- 舌肥大
- 肝障害
- 脱力感
- コレステロール上昇
こちらも多彩な症状を呈します。もしかしたらと思われる方、甲状腺ホルモン値を測定してみましょう。実は隠れ橋本病の方が多くみられます。こちらも簡単なお薬で調整できます。