腹部エコー検査と腹部CT検査の違い
エコーの検査をしていると、患者さんからたまに、エコーとCTって何が違うの?と聞かれることがあるので、今回は検査の違いについてお話させてください。
腹部超音波検査は、体表に検査用のゼリーを塗り、超音波を発する機器から跳ね返ってきた超音波の情報を画像としてモニターに映し出します。
臓器の厚みや内容によって跳ね返りが異なることで、臓器内の異常(胆石や胆嚢ポリープ、胆管拡張、肝臓や膵臓、腎臓の腫瘤など)を描出していきます。
メリットとしては、体に害や苦痛、負担がなく、短時間で広範囲を検査することが可能で、気になる部分では集中的に時間をかけて観察することもできます。
デメリットとしては、腸やその奥の臓器では、超音波が届きにくく、内部の情報を得ることは困難となります。
また肥満の場合も同様で、患者さんの状態によって、検査精度がかなり異なってきてしまうことがあります。
一方、CT検査はX線を用いて体を輪切りにした情報をコンピューターによって画像化するので、エコーでは見えにくかった深部臓器の抽出も可能となります。
肝臓がん・胆道がん・膵臓がんなどの腹部臓器原発の悪性腫瘍の有無や進行度、腹部リンパ節への転移の有無などが分かります。
エコー検査とCT検査ではそれぞれ特性があるので、その時の症状や見たい臓器によって検査を使い分けています。